
「もう二度と、人を好きにならない」
そう心に誓った瞬間から、
人生が静かにその言葉通りに動き始めることがあります。
ある女性がいました。
若い頃、心から愛した人がいました。
二年近く想い続け、未来を信じていた相手でした。
けれどある日、突然遠方まで呼び出され、
「好きな人ができたから別れてほしい」
そう告げられます。いきなりの別れの宣告でした。
帰りの新幹線の中で、彼女は窓の外を見ながら、静かに、でも強く誓いました。
「もう二度と、人を好きにならない」
「男なんて絶対に信じない」
涙を流しながら作ったその誓いは、
ただの言葉ではありませんでした。
潜在意識に深く刻まれた、人生のプログラムになってしまったのです。
その後の彼女は、誰かを好きになっても、なぜか長く続かない。
最初は愛されても、最後にはうまくいかなくなる。
時には理不尽な終わり方をし、
「まただ…」と傷つく。
でも本人は、その現実を作っている原因が、遠い昔の「あの日の誓い」だとは気づいていませんでした。
潜在意識は、善悪では動きません。
ただ、「これは大事な約束なんだ」
と認識したものを、忠実に守り続けます。
だから、「愛すると傷つく」「信じると捨てられる」と深く刻まれると、
無意識に、その証明を人生で繰り返してしまうことがあります。
怖いのは、忘れた頃にも、そのプログラムは静かに動き続けること。
でも逆に言えば、気づいた瞬間から、
人生の流れは変わり始めます。
では、どう変えていけばいいのでしょうか。
まず大切なのは、過去の自分を責めないこと。
あの時、傷ついた自分は、
「もうこれ以上苦しまないように」
必死に自分を守ろうとしていたのです。
だから、無理に消そうとするのではなく、「今まで守ってくれてありがとう」と、その誓いに優しく声をかけてあげること。
そして少しずつ、新しい言葉を潜在意識に渡していきます。
「私は、安心して愛していい」
「私は、大切にされていい」
「私は、裏切られるためではなく、
愛し愛されるために生まれてきた」
最初は信じられなくても大丈夫。
潜在意識は、繰り返し与えられる言葉を、少しずつ現実にしていきます。
そして何より大切なのは、
怖れから人を見るのをやめること。
「また捨てられるかもしれない」
ではなく、
「私はどんな関係を育てたいのか」
に意識を向け始めること。
すると人生は、「傷の再生」ではなく、「新しい愛の体験」へと変わり始めます。
潜在意識は怖い。
でも本当は、とても忠実で、とても純粋なのです。
だからこそ、どんな言葉を自分に与えるかで、未来は変わっていくのかもしれません。
ヒプノセラピーは、そのお役に立てると思います。

